2024-09-21

ドローイング・シリーズ五作目、何処かにいそうな現実感があり、その上また美しくもある女性

美しい女性
Nobody_#5_sepia

従来の作品では、鉛筆で描いたドローイングをそのまま複写し、作品として発表してきました。しかし、今回の作品から、その方法を大きく変えました。それは、鉛筆画をデジタル技術を用いて、全く新しいデジタル作品へと昇華させるという試みです。

デジタル化のきっかけは、これまでの油絵作品の複写を思い出したことです。「どうせ元の絵と同じにはならないのだから、複写は美しく見えればそれで良い。」と考えていました。別物なら、デジタル技術を活用し元のドローイングにはない美しさを追加してもかまわない。デジタル作品の新たな魅力といった可能性を見出したのです。

制作過程では、まず、高画質のスキャナーで鉛筆画を丁寧にスキャンします。その後、フォトショップなどのソフトウェアを用いて、微妙な色付けを行います。特に、色鉛筆やコンテでは決して描けない表現を目指しました。

それによって、デジタル作品ならではの表現が可能になりました。例えば、鋭利な鉛筆でしか引けない線に、色鉛筆やコンテの色を着けることが出来ます。これにより、異なった画材の効果を合わせ持つことができ、新たな表現の幅が広がったと感じています。

しかし、画用紙に描いたものを、作品ができた後で破棄するつもりは今のところありません。下に出来るだけ元のデッサンに近い複写画像を入れました。これはアナログ作品の複製であり、上のものはデジタル作品そのものです。

美しい女性
Nobody_#5

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